1994 年 43 巻 9 号 p. 711-718
未硬化魚油含有マーガリンを10℃で貯蔵した場合の数種の酸化防止剤の効果を比較検討した。酸化防止剤は混合トコフェロール濃縮物 (Toc), t-ブチルヒドロキノン (TBHQ), 3, 3', 4', 5, 7-ペンタヒドロキシフラボン (クエルセチン, Que) 及びカテキン (Cat) を単独で, さらにパルミチン酸L-アスコルビル (AP), L-ヒスチジン (His) またはAP+没食子酸プロピル (PG) をTocと組み合わせて試験した。マーガリンへの添加量はTocが0.2%, その他は0.01%である。酸化防止剤を含まない対照マーガリンのチオバルビツール酸値は貯蔵中に上昇が認められたがいずれの酸化防止剤を加えても抑制された。特にTocとAP+PGの組み合わせは最も効果的で, 次いでTBHQ>>Toc+AP>Toc>Toc+His>Que>Catの順であった。TBHQおよびTocとAP+PGの組み合わせはマーガリン中のイコサペンタエン酸 (C20 : 5), ドコサヘキサエン酸 (C22 : 6), ビタミンA 及びβ-カロテンを強く安定化し, 品質の維持に最も効果的であった。