油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
アルキルポリグリコシドの生分解性及び水生生物毒性
都島 康彦小池 豊美西山 直宏継国 孝司
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1995 年 44 巻 2 号 p. 108-115

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抄録

アルキルポリグリコシド (APG) について, 3種類の植種を用いた究極的生分解性と, 淡水及び海水における水生生物に対する急性毒性試験を実施した。
生分解性試験において, APGのBOD分解率は 73~89%, DOC分解率は74~>99%であり, HPLC及びGPC分析では被験物質のほぼ全量が消失した。 APGの構造中のアルコールは分岐型であっても, また鎖長が異なっても生分解性に影響はないものと考えられた。これらの結果は, APGが水系環境中で速やかな究極的生分解性を有することを示している。
APG の 96hLC50値は, ヒメダカ (淡水) で 96~115mg/L, 海水順化ヒメダカで 50mg/L, mysidshrimp で 15mg/L であり, 主要界面活性剤の中でも比較的弱いものであった。
以上のことから, APGの生態毒性上のリスクは非常に低く, 水系において高い環境適合性を有するものと考えられた。

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