日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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界面活性剤の光分解 (第18報)
酸化チタンを使用した界面活性剤の無機化におけるTOC 測定
日高 久夫野原 香代堀越 智田中 伸明渡部 俊也趙 進才ニック セルフォーン
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1996 年 45 巻 1 号 p. 21-28

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抄録
陰イオン系 (DBS), 陽イオン系 (CTAB, BTDACC12-PC), 非イオン系 (C12E5, N-DHA) および両性系 (C12-betaine, C12-amidobetaine, C12-HAA) 各界面活性剤が紫外線照射下, 半導体光触媒分散系中で光分解した。化学構造に対する光分解速度の依存性を全有機炭素 (TOC) 量から検討した。ZnO, WO3, TiO2 (アナターゼまたはルチル), TiO2 (Uv-100), TiO2 (T-805) の触媒の光触媒効果の違いを検討した。 TiO2 (アナターゼ) とZnOは優れた触媒効果を示した。各界面活性剤が酸化されCO2ガスを生じるので, TOC は光照射時間とともに減少する。光照射をせず超音波後のToc値は出発原液よりも小さい。これはTiO2 表面に活性剤が吸着するからである。陰イオン系活性剤の光分解速度は非イオン, 陽イオンおよび両性界面活性剤より早く, 高濃度は光分解速度が低下する。コロイド状TiO2とbenzene sulfonate (BS) の系でのレーザーフラッシュフォトリシスの測定結果より, 界面活性剤の分解は電荷移動媒体の捕捉と関連しており, 安定状態のBS+・カチオンラジカルまたはBSのベンゼン環の・OHラジカル付加体を生成している。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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