抄録
荷電分離型の2価陽イオン [1, 1'- (1, ω-アルカンヂイル) ビスピリジニウムイオン] を対イオンに
〓ON+- (CH2) n-+NO〓 (C14H29SO3-) 2 : n=2, 4, 6, 8, 10
もつ種々の1-テトラデカンスルホン酸塩の溶液物性に及ぼす圧力効果を, それらのミセル形成臨界濃度 (cmc) 及び水への溶解度から検討した。cmc以下では界面活性剤水溶液の電導度は圧力の増加と共に単調に増大した。これは, 長鎖の活性剤イオンが2価の対イオンとcmc以下でも会合状態にあり, 圧力の増加と共にこの会合が減少していることを示唆している。また, 通常のイオン性界面活性剤と同様にこれらの活性剤のcmcは140 MP付近で極大をもつことも判明した。cmcの圧力依存性からミセル化の体積変化 (Δνm) を評価したところ, 対イオンの荷電分離が小さいほどΔνmの値は急激に減少した。ミセル溶液の動的光散乱測定から, ミセルの動的半径は荷電分離が増すと共にボラホルム型の対イオンに支配されていることも明らかになった。