抄録
硫酸ドデシルナトリウムを用いてオイゲノール-リナロールおよびオイゲノール-d-リモネン二成分混合香料の可溶化を行い, 可溶化能 (SC) に対する香料の混合効果について検討した。オイゲノール-リナロール混合系における各香料のSCは理想状態におけるSCとほぼ一致することが明らかとなった。一方, オイゲノール-d-リモネン混合系におけるSCは, 理想状態におけるSCと異なり, 著しく正にずれた。以上の結果は香料の可溶化に伴うミセル構造 (特にミセル粒子径) の変化およびミセル中における香料の可溶化位置の違いに起因すると考えられる。