日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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共役リノール酸の機能と代謝
池田 郁男
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1999 年 48 巻 10 号 p. 981-988,1195

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抄録

共役リノール酸 (conjugated linoleic acid, CLA) は, 発がん抑制作用をはじめとして, 動脈硬化および糖尿病の予防, また, アレルギーの抑制, 体脂肪低下および骨増強作用など現代人の抱える多くの健康問題を改善する可能性が指摘されている。CLAは反芻胃中の微生物によりリノール酸から合成されることから, ウシやヒツジなど反芻動物の肉や乳製品に比較的多く含まれる。従って, ヒトは従来からこの脂肪酸を摂取してきた。また, ラットを用いた研究では過剰量を長期間摂取しても安全性に問題は認められていない。従って, CLAはヒトでの有効性が確かめられれば, 生活習慣病予防に極めて有効な食品成分となる可能性がある。今後は, 作用機作の解明, ヒトでの有効性および多量摂取時の安全性などの検討が必要である。

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