抄録
一本の長鎖アルキル鎖 (n : 10~16) と二つのメチル基および一本のアルカンジイル連結鎖 (m : 2~6) で置換された二当量のアンモニウム基を有する一連のビス第四級アンモニウム塩 [Cm-Bis (N-Cn)] をアルキルジメチルアミンと1, ω-ジブロモアルカンとから合成した。それらの起泡性および可溶化性のような界面化学的性質を測定し, さらに相間移動ハロゲン交換反応における触媒活性を検討した。
泡量は, 臨界ミセル濃度 (cmc) 近くまでCm-Bis (N-Cn) の濃度の増加に伴って増加し, そのcmc付近で最大泡量を示した。Cm-Bis (N-Cn) の起泡性および泡まつ安定性はアルキル鎖n (n : 10→12→14) の増加に伴って増大したがn : 16で著しく低下した。両方のパラメーターは連結鎖mの増加に伴って単調に低下した。Cm-Bis (N-Cn) の可溶化力はnおよびm (m : 2→6) の増加に伴って増大した。相間移動反応における触媒活性はn (n : 10→12→14) の増加により増大して14で最大となり, その後16で低下した。それはm (m : 2→3→4) の増加に伴って増大したが, さらにmが増加すると低下した。