日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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炭疽病菌による4-tert-butylcyclohexanoneの立体選択的還元
岡村 茂昭宮澤 三雄亀岡 弘
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1999 年 48 巻 4 号 p. 303-306,362

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抄録

テルペノイドおよびそれらの関連化合物の衛生物変換に関する研究の一環として, 10種の植物病原菌 (炭疽病) を生体触媒として用い, 4-tert-butylcyclohexanoneの変換を行った。その結果, 基質はケトン基の還元反応が進行し, それぞれ対応するcisおよびtrans-alcohol体に変換され, 菌種により主要変換物は異なっていた。Colletotrichum lagenarium, C, atramentarium MAFF 712102, C. fragariae, C, graminicala MAFF 305460, C. lindemuthianum (C-3) およびC. lindemuthianum (C-13) ではtrans-4-tert-butylcyclohexanolを主要変換物として生成するのに対し, Glomerella cingulata, C. lindemuthianum (C-1), C. trifolii MAFF 305389およびC. dematium MAFF 410046ではcis-alcohol体を主要変換物として立体選択的に生成することを明らかにした。

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