日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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蛍光検出逆相HPLCとエレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリーによるホスファチジルコリン2-アンスリルウレタン誘導体の分子種分析
岡部 浩昭板橋 豊太田 亨
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1999 年 48 巻 6 号 p. 559-567,624

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抄録
ホスファチジルコリン (PC) の分子種を分離定量する高感度分析法を確立した。大豆, サバ筋肉, サンマ筋肉およびサケ卵から分離したPCをホスホリパーゼCで加水分解し, 生成したジアシルグリセリンを2-アンスリルウレタン誘導体に変換した。これを蛍光検出器を装備した逆相HPLCとHPLCに直結したエレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリー (ESI/MS) により分析した。蛍光検出ではフェムトモルレベルで各分子種が明瞭に分離された。正イオンモードのHPLC/ESI/MS分析では強い擬似分子イオン [M+Na] +が得られ, 分子種の同定に有効であった。これらの結果から, 蛍光検出HPLCとESI/MSを併用した本法は天然由来PCの高感度分子種分析法として有用であることが認められた。
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