抄録
健康な母親21名の成熟乳の脂質, トランス酸含量および共役リノール酸ならびにプロスタグランジン濃度を測定した。総脂肪量は平均2.74 (1.7~4.4) g/100mlで, 日本人母乳の平均値よりかなり低かったが, コレステロールおよびリン脂質含量は平均的であった。総脂肪酸中でのトランス酸の割合は1.18% (0.61~2.22%) で, 1985年の報告値 (1.6%) より低かった。この値は欧米での測定値よりかなり低値であった。プロスタグランジンE2濃度とトランス酸含量との間に相関は認められなかった。共役リノール酸の含量は総脂肪酸中平均0.3%であったが, 個人差が大きかった (0.1~0.8%) 。生乳の共役リノール酸含量は乳牛の種類, 搾乳時間などにより影響されるようであったが, 平均して0.3%前後であった (約12mg/g脂肪) 。普通牛乳でも同等であった。