抄録
ホスフォリパーゼA2を用いた大豆ホスファチジルコリン (S-PC) のリゾホスファチジルコリンへの静置加水分解反応を, 種々の条件下で検討した。加水分解率は, 高速液体クロマトグラフ法 (HPLC) で, ホスファチジルコリン (PC) とリゾホスファチジルコリン (LPC) を分析して求めた。このHPLC法は, S-PCの加水分解においてPCとLPCを分析するのに簡単で迅速に行える再現性のある方法であった。S-PCの加水分解率は, 反応温度, 反応時間, CaCl2濃度, 緩衝液の種類に依存した。S-PCは, Tris-塩酸緩衝液の方がH3BO3-KCl-NaOH緩衝液, NaH2PO4-Na2HPO4緩衝液, Na2HPO4-クエン酸緩衝液よりも簡単に加水分解を受けた。ホスフォリパーゼA2によるS-PCの最適加水分解条件は, Tris-塩酸緩衝液;pH 8, CaCl2; 0.3wt%/S-PC, 60℃, S-PC/水溶液;1/2 (g/mL), ホスファリパーゼA2; 10IUであった。