抄録
4-ニトロピリジンN-オキシド-SbCl5 (1 : 1) 錯体 (錯体A), 4-メチルピリジンN-オキシド-SbCl5 (1 : 1) 錯体 (錯体B) およびピリジンN-オキシド-SbCl5 (1 : 1) 錯体 (錯体C) のそれぞれと, ベンゾピナコールとのニトロメタン溶液を50℃に保つと, いずれからもベンゾピナコロンが生成し, 反応は次の順で速くなった;錯体A>錯体C>錯体B。これらの錯体を加熱して対応するα-OSbCl4ピリジンに変換したのち, 同じ条件でベンゾピナコールとの反応を行うと, 同様にベンゾピナコロンが生成し反応の速さはつぎのようになった;γ-ニトロα-OSbCl4ピリジン≫α-OSbCl4ピリジン≧γ-メチルα-OSbCl4ピリジン。錯体Aおよびγ-NO2αピリジンとベンゾピナコールとの反応の場合をのぞき, いずれの反応からも少量のテトラフェニルエチレンオキシドの生成が認められた。錯体Bおよび錯体Cは, それぞれの対応するα-OSbCl4ピリジンより, ベンゾピナコールとの反応が速く進行した。