労働安全衛生研究
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原著論文
静電気帯電防止靴の試験方法の評価と改正JIS T 8103への反映
山隈 瑞樹泉 房男関根 武雄永田 久雄
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2011 年 4 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

2009年以前,国内では静電気帯電防止靴はJIS T 8103:2001に準拠して製造されていたが,国際的にはIEC61340-4-3:2001が制定され,さらにこの一致規格(IDT)としてJIS C 61340-4-3:2009が制定された.これらは,特に測定方法に違いがある.国際規格への整合性を推進するわが国の国家的方針に従い,IEC規格を反映したJIS T 8103の改正を行うため,両規格の測定方法による数値を比較した.その結果,23℃の試験環境においてJIS T 8103:2001の測定法でも靴に印加する荷重をIEC規格の方法に合わせることによって,ほぼ同じ数値が得られることがわかった.次に,IEC規格には規定されていない0℃における測定結果から,靴の表底材料の温度特性を考慮すると0℃における抵抗の上限値を23℃における上限値の10倍とする必要があることが明らかとなった.さらに,製造業者が全数検査に使用する簡易的な測定方法で測定し,正式な方法との違いを検証した.これらの実験・検討結果は改正規格JIS T 8103:2010に反映された.

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© 2011 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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