都市計画論文集
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社会的便益に基づく商業均衡モデルの再解釈
商業地の類似性と容量制約を考慮した一般化
本間 健太郎今井 公太郎本間 裕大
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 53 巻 3 号 p. 1456-1463

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抄録

本研究は,商業地の立地パターンに対して新しい説明原理を与えるべく,Harris & Wilsonのバランスメカニズムを再解釈したうえで,その一般化を提案するものである.具体的にはまず,「バランスメカニズムの解,すなわち商業地を時間発展させた末の均衡分布」が「住民便益を最大化する商業地の局所最適分布」と同等であることを示した.次に,その同等性を保ったままバランスメカニズムを一般化することに成功した.すなわち,(i)メカニズムに内包される商業地選択モデルをネスティッドロジットに矛盾なく拡張できると示し,商業地の類似性を考慮できるようにした.また,(ii)時間発展ルールを「単位規模あたりの来客数が多い商業地に規模移転」に緩和できると示し,容量制約を扱えるようにした.そのうえで一般化されたモデルについて簡単なケーススタディを行い,本手法の有効性を確認した.

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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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