抄録
目的 県民満足度を高めるため,岩手県の保健福祉行政において企業経営手法の体系的な適用を試みたので,その運営手法の考え方と課題を示す。
方法 顧客満足度が高められるよう,限られた資源の中で,住民ニーズに合致した「行政サービスの質」を確保し,これを生み出す「行政プロセスの質」および「行政資源の質」を高める手法として,TQM とマーケティングとを併用した手法が有効と考え,この適用を行った。
結果 平成13年 5 月に岩手県が実施した県民満足度等に関するモニター調査(郵送法,調査対象者234人,回収率88.9%)によれば,高齢者対策,少子化対策,障害者対策,ユニバーサルデザイン対策に関する県民満足度は前年に比べ改善している。また,同年度に実施した政策評価において,既存事業207事業を見直し,「休止・廃止,縮小」,「統合等」,「拡大」を最終的に30事業,20事業,23事業とした。
結論 企業経営手法の導入は間もないためその有効性を十分に確認できる状況に至っていないが,方針展開や政策評価等において一定の有効性があると考えた。今後は,特に「行政資源の質」を高め,より有効な手法となるよう改良を加えていくこととしている。