抄録
本研究では,将来の社会変化の中で,焼却余力を有する高効率ごみ発電施設におけるエネルギー回収をめざした施設整備の方向性を得ることを目的とし,岸和田市における事例分析を行った.まず,モデル施設の熱収支解析をもとに,熱回収技術導入による発電効率向上と,ごみ処理量増加による発電増加量を分析した.つぎに,設定した整備シナリオに従って,周辺自治体からのごみ受け入れを想定し,施設整備方策ごとに事業性を分析した.分析の結果,熱回収技術の組み合わせによって,さらなる発電効率の向上が可能ということがわかった.また,費用削減の観点から,熱回収技術導入及び周辺自治体からのごみ受入れ拡大の組合せとして考えられる複数の選択肢からライフサイクルコストの変化を評価した.