日本公衆衛生雑誌
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原著
介護老人保健施設に勤務する介護職員の「仕事へのモチベーション」を促進する要因
堀田 和司奥野 純子戸村 成男柳 久子
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2009 年 56 巻 12 号 p. 863-874

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抄録
目的 介護職員の「仕事へのモチベーション」は,施設利用者の生活を左右する介護の質への影響も大きく,質の高い介護が求められる施設にとっては,離職問題だけでなく重要な課題となる。そこで本研究では,介護職員の「仕事へのモチベーション」が,どのような要因と関連し,影響を受けているのかについて検証し,「仕事へのモチベーション」を低下させない職場環境を作るため,どのようなアプローチをするべきかを明らかにすることを目的とする。
方法 茨城県に所在する介護老人保健施設25に常勤で勤務する各専門職993人(うち介護職員607人)を対象に質問紙調査を実施。「仕事へのモチベーション」と「仕事の有能感」,「仕事への満足感」,「専門職アイデンティティ」,「連携に関する意識」,「専門職イメージ」それぞれの要因との関連について,因果モデルを想定し,構造方程式モデリングによるパス解析を行った。
結果 「仕事へのモチベーション」に対して,仕事の有能感(β=.176)専門職アイデンティティ(β=.352)介護職イメージ(β=.245)の直接効果が認められ,「仕事の有能感」を媒介変数として,連携に関する意識(β=.164)が,「専門職アイデンティティ」を媒介変数として,仕事への満足感(β=.288)と仕事の有能感(β=.332)が,「仕事の有能感」と「専門職アイデンティティ」を媒介変数として,介護職イメージ(β=.188)の,それぞれから,「仕事へのモチベーション」に対する間接効果が認められた。
結論 「仕事へのモチベーション」を高めるためには,介護職員が,介護職の仕事に肯定的なイメージを持ち,有能感を持って仕事に望むことや,専門職としてのアイデンティティを確立することが重要となる。そのために,仕事への満足感を得られると共に,看護職・リハビリ職といった他職種を肯定的なイメージで捕らえ,他職種と良好な連携の状態を作ることが出来る環境を整備することが必要である。
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© 2009 日本公衆衛生学会
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