日本公衆衛生雑誌
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研究ノート
特定保健指導対象の職域男性における減量成功の条件とフロー 個別インタビューによる質的検討
林 芙美赤松 利恵蝦名 玲子西村 節子奥山 恵松岡 幸代中村 正和坂根 直樹足達 淑子武見 ゆかり
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2012 年 59 巻 3 号 p. 171-182

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抄録
目的 特定保健指導対象の職域男性における減量成功までの関連条件とその流れ(以下,フロー)を整理することを主な目的とし,質的な検討を行った。
方法 対象は,埼玉,栃木,大阪,和歌山の 5 つの職域健保組合の41歳から59歳の特定健診後継続支援対象の男性で,6 か月間の特定保健指導後に 4%以上の体重減少があった男性26人であった。2009年10月から12月にかけて30分間のインタビューを行い,その録音と逐語録をもとに,質的データ分析(理論的コード化)を行った。妥当性を高めるために専門家による検討を行った。
結果 対象者の平均年齢は49.9±5.6歳,6 か月後の平均体重減少割合は6.8±2.5%であった。質的データ分析の結果,取組前は【健康状態や体型に関して,もともと気になっていたが,こんなものだと思っていた】が全対象者に共通して認められたが,初回面接後の手順は「結果や対象となったことへの危機感」などの【自分のこととして危機感を感じた】者(以下,【危機感】)と,「保健指導者のとの約束」など【義務感を抱いた】者の大きく 2 つのフローに分けられた。さらに,【危機感】を感じた者は,【良い変化の実感】の後に【肯定的な認知】を持った者と【否定的な認知】を持った者に分かれた。【否定的な認知】を持った者では支援終了後のリバウンドの可能性が高い傾向が示された。取組みを開始する際の介在条件としては,【本人の性格•価値観】,【家族の支援】,【職場の支援】,【取組に対する態度】の 4 カテゴリーが挙げられた。
結論 4%以上の減量に成功した職域男性を対象とした個別インタビューの結果から,取組開始時やその過程における対象者の認知が減量成功に大きく関わっている可能性が示唆された。そこで,特定保健指導では,初回面接及び継続支援時に対象者の認知を通じて取組み状況を確認し,行動変容を促し,維持し,リバウンドを防ぐ支援が重要と考えられた。
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© 2012 日本公衆衛生学会
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