2020 年 65 巻 3 号 p. 110-114
本連載を通じて,時代が求めるニーズを的確にとらえ,無から産み出したアイデアを実用化させ,現在に続く科学技術情報流通の発展に寄与してきたアントレプレナーたちの道程をみてきた。本稿では,学術情報とライフサイエンス情報,そして知的財産情報に,新たなる息吹をもたらす試みを概観したい。コンテンツ拡充やAI技術活用を考慮した科学技術情報関連のM&Aが直近の2年間に19件あった。コンテンツ・プロバイダーが事業として存在する価値は,“生データ資産”から,実務者のワークフローに役立つ分析主導の“知見”に移行している。事例として,クラリベイト社の4つの買収について,AI技術,コンテンツ,ワークフロー支援等,それぞれの分野の持つエコシステムでどんな役割が期待されての買収かを考察する。また,情報をビジネスで活かすよう,業界コミュニティに積極的に関わるエキスパート視点での活動にも注目する。