抄録
60日齢白色レグホーン鶏雛に日量0.4mgのエストロジエンを連続10日間投与し, 投与開始の翌日より10日間連続採血を行って血清ビテリン反応を観察した。そして各個体の反応出現の状態を10日間の採血期間に対する反応陽性最高稀釈値の回帰式として表現した (すなわち, Y=bX+k, Y: 反応陽性稀釈度, X処理日数, b: 回帰係数, k: 恒数)。更にこれを実験に使用した出所の異る各群ごとに集計して群としての反応回帰直線を表示した。
又一方各個体ごとに求めた反応回帰式Y=bX+kのbとkの間に回帰が認められる。これをb-k回帰と名づけ, Y'=b'X'+k' (Y': 反応回帰式におけるk, X': 反応回帰式におけるb, b': b-k回帰係数, k': b-k回帰式における恒数) として表現した。そこで各群ごとにb-k回帰係数(b')を比較すると, 雌においては各群のb'間に有意差がみられるに対し, 雄ではb'の値が比較的近接する傾向があり有意差は認められなかった。
40日齢で性腺除去を行い, 60日齢からエストロジエン処理を行った鶏の反応回帰直線においては雌雄とも正常区の各群間には回帰係数(b)および恒数(k)において有意差がみられるが, 去勢区では回帰係数間には差がみられず恒数間に差がみられるのみであった。すなわち性腺を除去することにより反応回帰線は正常雌, 正常雄の中間型となり一定化する傾向がみられた。
b-k回帰については前回の結果と同様, 性腺除去を行っても雌では出所の異る各群のb-k回帰係数間に有意差がみられたが, 雄では差がみられなかった。すなわち性腺除去を行っても雌雄ともb-k回帰には影響がみられない。b-k回帰の雌雄差の要因には性腺以外の要因があるものと思われた。