抄録
「目的」病院と地域での装具に関する連携は乏しく連携システムの構築が急務である。本研究では装具地域連携サマリーを作成し、その効果検証を目的とした。
「方法」サマリーは当院療法士と他院訪問リハ療法士にて作成した。サマリーの作成対象は、当院で装具作製し、退院後に装具を継続して使用する者とした。退院時にサマリー、装具使用時の動画およびアンケートを送付した。
「結果」2014年7月から2015年2月の間に当院に入院した患者の中で、サマリー作成を考慮し、動画撮影を行った患者は 21 名であった。当院をすでに退院した患者は 8 名で、その内サマリー作成の対象者は3名であった。アンケートの結果、サマリー、動画の送付ともに全例で役にたったとの回答を得た。 「結論」本研究によって情報連携のツールとして装具地域連携サマリーが有用となる可能性が示された。今後はサマリーを多くの症例で使用しながら改善点を探るとともに、対象者の視点にたった効果検証も必要である。