抄録
「目的」弁膜症術後、退院時に ADL が低下している患者の特徴を後方視的に調査し、その要因を明らかにする。 「方法」待機的弁膜症術後患者の中で、退院時に術前のBarthel Index(BI)に達した63例をADL維持群、達しなかった 10 例を ADL 低下群とした。各群の術前因子・手術因子・術後因子を調査し、ロジスティック回帰分析と ROC 曲線を使用して、術後 ADL 低下を予測する因子を抽出し、 カットオフ値を求めた。 「結果」抽出された因子は、年齢、術前 BI、10m 歩行時間、歩行開始日であり、10m 歩行時間の 判別能が最も高かった。カットオフ値は、年齢 78 歳、術前 BI95 点、10m 歩行時間 7.04 秒、歩行開始日 4 日であった。 「結論」弁膜症術後患者の退院時 ADL の低下を予測する因子は、年齢、術前 BI、10m 歩行時間、 歩行開始日であり、生理的予備能の低下やデコンディショニングの進行が関与していると考えられた。