地域漁業研究
Online ISSN : 2435-712X
Print ISSN : 1342-7857
論文
マラウィにおける水産物流通の現状と課題
―マラウィ湖のティラピア(Chambo, Oreochromis spp.)を事例として―
マティア ジョージ若林 良和竹之内 徳人
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 46 巻 2 号 p. 65-81

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抄録

本論文の目的は,マラウィ湖で最も経済的価値を持つティラピア(Chambo)のマーケティング過程に注目して検討することである。特に,市場流通,加工およびマーケティングシステムに焦点をあてて,ティラピアのマーケティング効率を改善することに総体的な目標を置く。こうした改善によって,消費者には手頃な価格で魚を購入でき,また,漁業者にとっては収入の拡大につながる。

マラウィ湖のティラピア漁獲量は減少していることから,効率的なマーケティングを展開することが漁業収入を拡大させる唯一の方法である。実際的には,品質の向上と新たな流通システムを確立することが不可欠である。現在,マラウィにおける魚類の流通は3つの段階の市場が存在する。大規模で商業的な漁業者は魚類を直接,消費者や小売業者に販売できるが,小規模な漁業者が魚類を販売するには,仲買人を通さなければならない。したがって,小規模漁業者に対する新しい流通システムを構築することが必要である。

ティラピアのマーケティングに関しては,加工や貯蔵の施設の不足,販売基準や衛生管理の不徹底,季節的な魚価変動,金融資本の不足など,数多くの問題点がある。漁業者の組織化がスーパーマーケットや小売業者への直接販売を可能にするとともに,製氷設備や加工工場の設置により付加価値のついた製品を生産でき,漁業収入が増加できると考えられる。

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© 2006 地域漁業学会
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