日本は巨大なシーフード購買力をもち,世界有数の輸入国であるが,本研究では消費者の消費習慣を再検討している。シーフード消費に対する研究は多いが,輸入品と地域的嗜好,製品の属性にもとづく消費者の評価,原産国および国産品に対する愛着・嗜好が及ぼす影響などについての調査はまだ十分ではない。この研究では,輸入品と国産品に対する消費者の購買行動,国内産に対する愛着・嗜好性についての地域的差異,それが消費行動に及ぼす影響について調査している。消費者アンケートを東京,大阪,広島で実施し,371人の消費者から回答を得た。全体としては,輸入シーフードに対しては肯定的な評価をしている。シーフードの消費は日本文化と深くかかわっているとはいえ,どのサンプル・グループも高い自国産中心主義を示してはいなかった。地域的にみると,大阪と東京の消費者には自国産中心主義的な傾向がみられた。この傾向と国産のシーフードを買いたいという意向との間には強い相関がみられた。日本の消費者は製品の属性にもとづいてシーフードを評価している。文化性や自国中心主義は輸入シーフードの評価に直接には影響を及ぼしていない。