日本ロボット学会誌
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歩行の機能形態学に基づく人間型ロボット構成のためのヒント
ヴイッテ ハルトムート
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2002 年 20 巻 3 号 p. 247-254

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抄録

機能形態学 (Functional Morphology) の‘Functional’は神経系と機械系の両方を意味し, ‘Morphology’は系統発生と個体発生における人の発達の比較解剖学を扱う科学である.
本稿では人間型ロボット構成において重要であると考えられる要素を近年の機能形態学研究から導き出す.
(1) 人間は脊椎動物であり, 運動のために体幹 (trunk) を有効に使わない人間型ロボットはヒューマノイドではない.
(2) 人間の腰部の存在は, 体幹上部 (頭, 首, 胸) と体幹下部 (骨盤) 間の弾力性のある関節 (脊椎, 腹部筋肉) まわりの回転の重要性を示している.長 (縦) 軸まわりのねじれ回転が最も重要である.
(3) 人間の歩行は, 筋肉組織によって調節される弾性, 質量, 重力の間の相互作用である.硬直した胴体機構は人間やヒューマノイドの歩行を記述するには不十分である.

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© 社団法人 日本ロボット学会
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