2011 年 2 巻 1 号 p. 11-18
本稿では,小児急性血液浄化療法の歩みと現況について概説した。近年の血液浄化関連機器の開発により,現在は,体重が3kg以上であれば,技術的にはほぼ問題なく体外循環血液浄化療法が実施できるようになり,さまざまな小児急性疾患に対して各種血液浄化療法が積極的に導入されるようになってきた。今後は,救命率の向上につながるより質の高い急性血液浄化療法を目指す必要があり,各種病態の一層の解明と,各病態に応じた適正な血液浄化条件・方法の確立が望まれる。また,全国の医療施設において,誰でも,容易に,そして安全でかつ質の高い小児急性血液浄化療法が実施できるよう,実施マニュアルの作成(標準化)と教育・啓蒙・普及活動が必要と考える。