流血中に出てきたhigh mobility group box 1 protein(HMGB1)は炎症を転移・増幅させる致死的mediatorであり,重症病態の治療ターゲットとして注目されている。そこで国内外で使用可能な血液濾過膜を用いてHMGB1除去の可能性および機序を検討した。Polysulfone:PS(FX,SH),Polymethylmethacrylate:PMMA(CH-N, CH-SX, BG-PQ),Polyacrylonitrile:PAN(AN69ST),Polyarylethersulfone:PAES(High cut-off:HCO)の7種の膜を使用し,牛アルブミン(alb)加サブラットBSG液に精製HMGB1を添加し,trans membrane pressure(TMP),filterの入口,出口,濾液のHMGB1およびalb濃度を測定し,血液,濾液クリアランス(CL)を算出した。濾過膜(PS,PAES)では,HCOが最大の濾液CL(10~12mL/min)を示したが,alb漏出も大きかった。吸着膜では,AN69STで60mL/min,PMMAで約25mL/minと高い血液CLを示した。HMGB1の除去には吸着機序が重要であることが明らかとなった。
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