Continuous renal replacement therapy(CRRT)はICUにて発症したacute kidney injury(AKI)症例に対する有効な治療ツールであることは言を待たない。CRRTの治療条件設定および開始基準については,これまで数多くの臨床研究が行われて一定の見解が得られているが,いまだ不確定な要素が多いことも事実である。本論文においては,1)間欠的血液浄化と比較しての優位性,2)早期治療開始の是非,3)CRRTにおける至適血液浄化量の設定と実際の治療量評価,4)血液浄化フィルターの選択,について行われた臨床研究の結果を概説するとともに,いまだ議論の余地があり今後明らかにすべき問題点を提示した。個々の症例において最適な治療開始時期,条件設定が異なることは不可避であるが,それぞれの選択において理論的な根拠に基づいた判断が求められるとともに,その根拠となる臨床研究による知見の蓄積が必要である。