2014 年 5 巻 1 号 p. 88-91
ブロム酸塩中毒は,重篤な急性腎傷害および内耳障害を生じ,救命した後も慢性腎臓病となり透析を必要とする症例も多い。今回,パーマ液服用によるブロム酸塩中毒に対して高流量大量持続的腎機能代替療法および間欠的血液透析を併用し,良好な経過を得た症例を経験した。【症例】68歳女性。自殺企図でパーマ液第2液を服用し,当院へ救急搬送。来院時,意識清明,呼吸・循環動態は安定しており,腎機能は正常であった。第1病日に急激な聴力低下およびCr値の上昇を認め,無尿の状態となったため,高流量大量持続的腎機能代替療法を開始。第3病日から血液浄化量をさらに増加させ,間欠的血液透析を併用した。第10病日で血液浄化療法を離脱。聴力も改善し,第20病日に転院した。【結語】急性期に積極的に血液浄化療法を導入することで,長期的な機能予後が改善する可能性があると考えられた。