2022 年 3 巻 J2 号 p. 925-934
適切な予算配分を行い橋梁の長寿命化修善計画を策定するために,その状態を把握する基盤となる点検データの品質向上は重要な課題であり,CIMモデルの活用が期待されている.判定結果は損傷の発生箇所を2次元図面に記載されているため,複雑に部材が入り組んだ部位は図面に表現されていない.また,それらの図面には寸法がないものもあり,確認作業に通常よりも時間が多くかかってしまうという問題も生じている.本研究では,これらの課題を解決するため3D損傷図作成支援システムを開発した.そして,そのシステムを橋梁定期点検の実務に導入するための課題や問題点を実証実験を行い整理し,CIMモデルを用いた橋梁定期点検の課題について言及する.