抄録
沿岸砂州 (バー) の長期変動特性, ならびにその特性と底質移動特性との関係を検討するために, 8年間の現地断面データを経験的固有関数法などを用いて解析した. 現地断面データは鹿島灘に面する波崎海岸において後浜から外浜にかけてほぼ毎日観測されたものである. 解析の結果, バーの頂部は約1年のサイクルで沖向きに移動歩ること, ただし各地点の岸沖漂砂は沖向き, 岸向きに変動することが明らかとなった. さらに, このバーの移動に伴う岸沖漂砂の変動特性と外力である沖波のエネルギーフラックスとの関係を検討し, 両者の関係を明らかにした.