2019 年 75 巻 2 号 p. II_25-II_33
社会基盤構造物のひとつである橋梁は,道路ネットワーク網を構成し防災の観点からも常日頃からメンテナンスを実施し維持していく必要がある.橋梁の点検方法である近接目視点検においては,専門技術者の不足などの問題があり,点検時に必要なデータに効率的にアクセスできることが重要である.また,近年,ICT技術の進歩により,AR(Augmented Reality)といった技術が開発されている.
本研究では,近接目視点検時の点検作業の効率化を目的として,名刺サイズの橋梁の図柄を中心とした橋梁カードを作成し,スマートフォンのカメラにかざすことでARによって点検時に必要な点検情報である橋梁の基本諸元データ,点検履歴,補修・補強履歴をスマートフォンからアクセスする点検支援システムを開発した.