抄録
近年,循環型の持続可能な社会システム実現に向けた取り組みが多方面で求められている.土石系廃棄物はH19年度の廃棄物全体の発生量の36%を占め,量が大きく廃棄物の物質フローに大きな影響力を持つ.循環型社会の実現のためには,最終処分の削減が不可欠であり,土石系廃棄物の有効利用は必須である.しかし,近年,建設分野を初めとする需要の減少などによる土石系循環資源の需給バランスの崩壊が危惧されている.そこで,本研究では,将来における土石系廃棄物の最終処分量削減策と土石系廃棄物の物質フローを検討することを目的とし,線形計画法による分析を行った.具体的には,2005年度を基準として2030年度での産業廃棄物の土石系廃棄物の最終処分量の削減目標を設定し,あわせてCO2排出量の削減を考慮した土石系廃棄物の有効利用方法およびフローについて検討した.2030年において土石系廃棄物の発生量が現状より増加すると設定しても,土石系資源の有効利用先を適切に確保できた場合には,現状よりも最終処分量を6割程度削減しつつ,また,CO2排出量についても2030年には5.2%減少(セメント混和材代替率が従来型のシナリオ1),20.4%減少(セメント混和材の利用を拡大するシナリオ2)するという結果が得られた.