2012 年 68 巻 6 号 p. II_273-II_281
本研究では,送配水ポンプの電力使用量を最小にすることを目的とした最適水運用計画について検討する.都市における送配水システムの概要について述べ,省エネルギー化を図るためにはどのような水運用が必要かを明らかにした.需要水量を満たしながら,送配水システム全体の電力使用量を最小化するルート・流量決定問題としてモデル化を試み,混合整数線形計画(MILP: Mixed Integer Linear Programming)法によって定式化した.提案したMILPモデルの有効性を検証するためのケーススタディを試みたところ,各施設からの送配水量の配分比をMILPモデルに基づく水運用方法に変更することで,従来の電力使用量に比べて一日当たり約8%削減できることが明らかになった.