抄録
企業の経営活動を持続可能なものに転換するため,グリーンサプライチェーンマネジメント(GSCM)による企業パフォーマンスの適切な評価が重要となる.本研究では,日本の製造企業を対象としたアンケート調査の結果に基づき,GSCMの実施状況を概観し,それによる企業パフォーマンス向上への影響を明らかにした.その結果,日本企業のGSCMは企業内部の取組に重点が置かれており,企業間の連携による取組が遅れていることが示され,サプライチェーン単位のGSCM実施は取組の途中段階にあることが示唆された.またCSRの推進等の取組は持続可能な企業経営に寄与しつつある一方,資源回収とサプライヤーとの連携による企業パフォーマンスへの促進がみられなかった.今後,企業間の連携を促進させ,GSCM実施を各種企業パフォーマンスの向上を図る経営戦略の一環として推進していくことが必要となる.