抄録
現在竹林の放棄が進み,様々な問題が生じている.そこで本研究は竹林の適正な管理の支援を目的に,竹林へのアプローチと管理手法を示し,竹材資源量推計サブモデルと資源特性に応じた利用オプションの環境・経済評価モデルを開発した.具体的には,モデルの入力は地域の竹林面積と人口等の地域情報,出力は低炭素効果や生物多様性影響,地域内食糧自給ポテンシャル,竹林管理コスト等である.モデル内部構造は竹林管理に関するアプローチ,管理手法,利用オプションである.利用者は農地面積や制限資金額等の入力により,地域特性に応じた竹林管理の評価が可能となる.これを兵庫県における都市型地域である神戸市及び農業が盛んな淡路地域を事例として適用した結果,それぞれの地域特性を反映した評価結果より,代替シナリオ選択を通した竹林管理方略作成に有用であると確認された.