土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第21巻
エネルギー機器情報を用いた応用一般均衡モデルの開発と緩和策の分析
藤森 真一郎増井 利彦松岡 譲
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2013 年 69 巻 5 号 p. I_227-I_238

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抄録

 これまでの気候緩和策の分析に用いられてきたエネルギー需給を推計するモデルはトップダウン型,ボトムアップ型という二つのタイプが存在した.それぞれ利点,欠点を持っており,部分的にモデルを統合する試みはこれまでいくつかなされてきた.本研究は,この両タイプのモデルを完全に統合したモデルを開発した.そこで本論文では,その手法を述べ,適用例として世界全体の気候緩和策分析を示す.そして,新しく開発したモデルと既往のモデルの挙動の違いを中心に解析した.エネルギー消費量は部門間で異なり,拓に発電の差異は大きかった.また同じ排出制約化ではGHG排出価格はほとんど同じ傾向にあった.エネルギー消費量のエネルギー価格弾性値は地域間で異なったが,中位値は既存のモデルと近い値となった.機器選択の費用に対する感度を表すパラメータの感度分析を行ったところ,ある一定以上の値でGHG排出価格は大きく変わらなくなることがわかった.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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