2014 年 70 巻 7 号 p. III_111-III_118
本研究では,事業継続性の観点から上水道システムの消火機能を評価することを目的として,災害時における機能低下の推移により被害抑止力と回復力とを表現することができる災害レジリエンス曲線を定義し,これを用いて配水管網システムの消火機能評価に関する数値解析モデルを構築した.ここでは,消火水量の取り出しを組み込んだ管網解析を行い,配水管網システムにおける節点の水圧条件より消火栓として利用可能な節点の割合を算出し,消火栓利用可能率により配水管網システムの消火機能を評価した.構築した消火機能評価モデル,ならびに管路被害モデル,復旧過程モデルを用いて,神戸市低層配水区域の実管網を対象とした応急復旧期間における配水管網システムの消火機能を災害レジリエンス曲線により評価した.以上のことから,災害レジリエンス曲線を用いて,配水管網システムの消火機能の事業継続性を評価する手法を示した.