2016 年 72 巻 5 号 p. I_65-I_72
近年,天津市に中国北方地域最大の循環産業基地である「子牙経済産業区」が建設されている.一方,天津市の家庭系廃プラスチックのリサイクルシステムの実情を見ると,経済効率性,環境性,労働衛生性のいずれの観点からも良い状況とはいえない.本研究では,天津市の家庭系廃プラスチックを評価対象に,無認可のリサイクル体制を現状ケース,子牙循環経済産業区での近代的な廃プラリサイクルを改善ケースと想定し,改善による環境負荷削減効果を試算した.特に,輸送過程を焦点を当て,Grid City Model(GCM)をベースとした最適化計算により中継場数を算出し,その後GISを用いて,現状の収集体制に対する改善ケースのより詳細な計算を行うことで,CO2排出量の推計を行った.