抄録
わが国では,一次エネルギーの94パーセントを輸入化石燃料に依存して,大量のCO2排出に加えて国内資本が海外へ流出している.本研究では,福島県を対象として地域資源を有効利用する低炭素でかつ地域経済活性化に資する持続可能なエネルギーシステムを設計することを目的とする.地域に賦存する再生可能エネルギー資源量を推計し,県内の電力・熱需要を満たすエネルギーシステム構成を線形計画問題を解いて決定する.さらに,設計したシステム性能を経済波及効果など多様な観点から評価し,持続可能なエネルギーシステムの価値について考察する.設計の結果,風力発電導入量の増加と木質バイオマス資源を燃料とする地域熱供給システムの実現を通じて,地域資源を有効利用してかつ海外流出するキャッシュが大幅に減少可能なエネルギーシステムを構築できることが明らかとなった.