土木学会論文集G(環境)
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和文論文
日射と電力需要の再現性に着目した都市気象・建物エネルギー連成数値モデルの検証
亀卦川 幸浩山川 洋平徳竹 衿也大橋 唯太高根 雄也井原 智彦鍋島 美奈子
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2017 年 73 巻 2 号 p. 57-69

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抄録

 著者らが開発した都市気象・建物エネルギー連成数値モデルWRF-CM-BEMについて,都市の気象と太陽光発電を加味した電力需給の同時予測への適用に向けた検証を行った.都市域での従来に無い高解像度の全天日射量に加え,多地点の地上気温と変電所供給区域毎の電力需要量を2013年度に大阪で通年計測し,それらのモデルによる夏季の再現性を検証した.結果,日射量では晴天時実測値を誤差7%で再現可能な一方で曇天時には過大評価が顕著であったが,実測された都市域日射の空間不均一性の定性的傾向をモデルは概ね再現した.地上気温の再現精度は米国の類似モデルを上回り良好であり,電力需要では業務街の実需要を再現可能な一方で住宅街では40%程度の過大需要がシミュレートされた.検証を通じモデル改良の方向性を明確化できた.

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