抄録
インドネシアでは近年,政府による都市生活廃棄物の収集・処理体制の整備とともに,「ごみ銀行」と呼ばれるコミュニティベースの資源ごみ収集システムが注目されている.本研究では,インドネシアのごみ銀行の成立要件について,ごみ銀行がもたらすごみ問題の改善や資源循環といった公益の面と,ごみ銀行の活動に参加することによってお金を貯めることができるといった私益の両面から,参加・協力に関する意識構造を明らかにすることを目的とした.複数のごみ銀行を対象に,会員と周辺住民に対してアンケート調査を行い,参加形態,参加頻度による意識の差を分析した.さらに,共分散構造分析を用いた意識構造分析を行った.参加者は「費用対私益評価」が「行動意図」へ強い影響を及ぼし,非参加者は「社会規範評価」が「行動意図」へ強い影響を及ぼすことが明らかになった.また,参加者は「行動意図」が「行動」へ繋がるのに対し,非参加者は繋がらないことから,非参加者へは参加者やごみ銀行のスタッフ,地方政府が参加を促すことが重要であると考えられる.