土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第45巻
将来の電源構成に関する住民選好の多様性とその要因の評価
大塚 佳臣
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2017 年 73 巻 6 号 p. II_23-II_34

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抄録

 東京圏の住民を対象として,アンケート調査によって中期的な電源構成の選好の多様性およびその要因の評価を行った.20年後の理想的な電源構成について,C1:安全性,地球温暖化防止の観点から再生可能エネルギー優先,C2:安全性,安定供給の観点から火力発電優先,C3:安定供給,電力コストの観点から原子力発電優先,C4:安定供給,安全性の観点からバランス優先の4つのクラスターの存在が認められた.現実的な電源構成については,再生可能エネルギーの割合を下げて火力に振り分けており,住民に電源構成のベストミックスを受け入れる素地はあるものと考えられた.一方で,各発電方式に関する住民の理解度は「他人に説明できる」水準に至っておらず,電源構成の合意形成を図る上では,その理解を深めるための情報の作成,提供方法の検討が不可欠である.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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