2018 年 74 巻 3 号 p. 126-141
災害廃棄物処理の計画と実行にあたっては,必要な資機材の選定と処理システムの構築ならびに再生利用を含む受入先の確保等の方針を決定することが必要だが,より合理的な方針を設定するためには,処理プロセスにおける組成と量ならびにその構成関係の解明が求められる.そこで本研究では,東日本大震災による災害廃棄物処理について,情報通信技術により取得・蓄積された岩手県山田地区(山田町)と久慈地区(野田村及び久慈市)の実績データの分析により処理の実態を検証するとともに,高度分別処理による指標として,高度分別処理前後の各組成の質量割合を関係づける「分別係数」を定義し,その算出を行った.その結果,処理の進捗に応じた構成関係の変化が定量的に示されるなど,処理システムの構築に有用なデータが得られた.