2018 年 74 巻 5 号 p. I_25-I_31
アンサンブル気候予測データベースを用いることにより,計画降雨継続時間での流域平均降雨量の発生頻度および降雨の時空間的な特性を数千年分のデータから評価可能となる.本研究では十勝川流域を対象に大量アンサンブル気候予測データから過去および温暖化進行後の気候における年最大降雨の時空間的な集中度を算出した.その結果,温暖化が進行した際の気候条件では降雨は時間的にも空間的にも集中化することが示された.このような降雨の時空間的な集中化は洪水ピーク流量の増大や洪水被害の形態の変化を招くことが予想されるため,今後の洪水対策において降雨量の増大とともに考慮すべきだと考えられる.