抄録
わが国の農用地に広く分布している火山灰土における土中水や地下水の水質形成過程を検討することは,農業活動起源の地下水汚染を検討する上で重要である.本研究では,3種類の火山灰土を充填したセグメント結合型カラムを用いて, 塩化カリウム溶液を投入するカラム実験を行った.その結果,火山灰土におけるイオン交換反応輸送特性を明らかにした.また,著者らが提案している土壌溶液中のイオン強度からイオン交換容量の増分との関係と概ね整合する結果が得られた.さらに,カリウムとカルシウムの選択係数が,土壌溶液中のイオン強度に依存することが確認された.