土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第55巻
日本製浄化槽の海外適用化に関する設計手法の検討と処理性能の検証
古市 昌浩張 思斉日比野 淳西村 修山崎 宏史
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2018 年 74 巻 7 号 p. III_9-III_18

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抄録

 日本製浄化槽の海外適用化に際し,異なる使用条件に対処できる小規模汚水処理プラントに変更するための設計手法を見いだす必要がある.そこで本研究では,EUと日本の性能評価方法の相違点である汚水量と汚濁量に着目し,EU向けプラントはBOD容積負荷を日本仕様に合わせて設計し,EU域内にプラントを設置して現地試験を行い,日本仕様の国内試験結果と処理性能を比較・分析した.その結果,EU現地試験では処理水のBODとSSは日本仕様と同等の値を示し,短期間の流入負荷変動に対しても処理水への影響は確認されなかった.さらに,水温による処理能力への影響を分析した結果,浄化槽の海外適用化においては,BOD容積負荷に加え水温による硝化速度の影響を考慮した設計手法が有用と考えられた.また,窒素およびBOD除去のためにはプラント内の水温を13℃以上に保つことが重要と示唆された.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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