2019 年 75 巻 5 号 p. I_233-I_238
食料廃棄物削減は持続可能な開発目標(SDGs)の中の一つに位置付けられており(SDG12)、社会的に重要な課題である。食料廃棄削減は廃棄物のみの問題だけでなく、その多寡によって様々な社会・経済・環境に影響を与えると予想されるが、これまでその将来における影響は明らかでなかった。本研究は、将来的に食料廃棄量が削減された場合の社会、経済、環境影響評価を統合評価モデルAIM/CGEを用いて行った。具体的には温室効果ガス排出量、自然資源消費量、土地利用変化、飢餓リスク人口に着目した。その結果、消費段階からの食料廃棄物を半減するという2030年の目標下では、廃棄物量の削減以外に様々な便益があり、温室効果ガス排出量は5.9%、飢餓リスク人口は4.7%減少した。一方、本研究が評価した温室効果ガスや飢餓リスク人口はそれぞれの目標があり、それらを達成するには不十分であるが、社会全体が取り組む諸施策の一つとしては有効であると考えられる。