2020 年 76 巻 7 号 p. III_43-III_52
緩速ろ過池の発光ダイオードを装備した覆蓋技術の開発を目指して,ラボスケールのろ過実験で青色LED照射による処理水質および生物ろ過膜への影響を調べた.比較のため,太陽光照射および遮光の条件でも同様の実験を行った.その結果,青色LED,太陽光ともに生物ろ過膜の成長とろ層表面の好気的環境の維持に寄与した.生物ろ過膜の微生物群集を解析したところ,青色LEDや太陽光を照射しても細菌密度は変わらなかった.処理水質については,青色LEDと太陽光の条件で処理水の硝酸性窒素濃度の低下が見られた.これは,生物ろ過膜中で明らかに増殖したCyanobacteriaによる硝酸同化の結果であろう.青色LEDは弱い光強度でも光合成生物の増殖を阻害しない上に,太陽光に比べて生物ろ過膜を緩やかに成長させることができ,安定的なろ過池の維持への貢献が期待できる.