2020 年 76 巻 7 号 p. III_529-III_534
都市中小河川の感潮域では,スカムの発生とそれに伴う悪臭が問題となっている.本研究では,石神井川感潮域を対象に水質とスカムの連続観測を行い,統計解析によってスカム発生に関するリスク因子の寄与度を定量的に明らかにすることを目的とした.ロジスティック回帰分析の結果,スカム発生に対して有意な関係を有したパラメータは,寄与度順に,DO,水温,水位,塩分であった.これら4つのリスク因子はオッズ比が1以下であったため,変数が減少すると,スカムの発生リスクを上昇させる関係にあることが分かった.また,リスク因子を用いた最適回帰モデルを作成したところ,スカムの実測と比較して,構築期間で80%,検証期間で65%の精度があった.このことから,DO,水温,水位,塩分はスカム発生条件の約7割を表現するリスク因子であることが分かった.